今回は実際にオフィスへ3CXを導入する際にどんな機器が必要になるか、ということについてお話ししたいと思います。
クラウドの場合、3CXサーバはお客様のオフィスには設置されません。またオフィスに極力機器を置かない想定の構成になります。ご要望によっては機器が増える可能性があります。
全体のイメージとしては次の通りです。導入する機器は名称に下線が引かれています。
また今回の構成は以下を想定しております。
・電話回線は楽天コミュニケーションズのIP電話回線を利用
・オフィスは固定電話機を利用するため3CX SBCを設置する
・ネットワークはVlanを利用しPCと電話機で分ける
・各席のスイッチはPoE給電対応のスイッチを導入済み
それぞれの機器にスポットを当てて説明していきます。
●サーバ
サーバは弊社が用意しているAWS環境にある3CXを利用します。お客様のオフィス3CXサーバとなる機器は設置しません。
●3CX SBC
固定電話機を利用する場合はセキュリティやFirewallの設定の簡易化の観点から
SBCの設置をお勧めしております。ただ電話機設置台数が100台以上となる場合はSBCではなく別途VPNをAWSと結ぶ構成とさせていただきます。
3CX SBCの端末はミニPCとなります。小さい端末ですので邪魔になることはないかと思います。
●IP Phone
ネットワーク接続には既存のスイッチを利用する想定です。PoE給電対応のスイッチであれば電源供給用のACアダプタは不要になります。
弊社で用意させていただく電話機はVOPTechもしくはFanvil製の電話機になります。3CX導入以前に使っていたIP Phoneを利用したい場合は事前にご相談ください。
また図では言及しておりませんがWiFi Phoneもございますので必要に応じてお問い合わせください。
●ATA
ATAとはAnalog Telephone Adaptorの略でアナログとデジタルを変換するために利用します。所謂家電話などで使われるRJ9/11のジャックを必要とする機器をデジタルに変換します。
アナログ線を敷設済みであればアナログ線を収容しているパッチパネルからATAに接続先を変更することで3CXでも継続してアナログ電話を利用することが可能です。
ただし3CXが備える機能を100%活かすために基本的にはIP Phoneへの置き換えをお勧めいたします。また複合機との接続にもATAを利用します。
●電話回線について
IP電話回線であればオフィスへの回線敷設は不要でクラウド上の3CXに直収できます。
もしクラウド構成で電話回線をひかり電話やINS回線を利用したい場合はGateway機器を回線敷設箇所に設置し、クラウドと接続させる必要があります。詳しくはご相談ください。
ネットワーク設定について
この構成でお客様にて考慮が必要なのは主にネットワーク設定に関わる部分になります。
・電話用NWの用意、DHCPサーバ機能の用意
・音声通信安定化のためのQoS設定(可能であれば)
・SBCとクラウドの接続で利用するFirewallのポートの開放設定(TCP/UDP5090)
クラウド構成の場合、オンプレ構成と比べて社内NWのFirewallなどの考慮が不要なことからスマホアプリなどソフトフォンとの接続は容易です。
今回は固定電話機を利用する想定ですがソフトフォンのみの利用で電話回線もIP電話回線とすると社内ネットワークを一切変更せず、また回線敷設の必要もなく電話を利用することができます。
弊社ではPBXの導入だけではなく音声NWの構築に関してもお手伝いできます。
また「こういう機器を使いたい」ということがあれば営業あてにご相談ください。