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VoIPゲートウェイとは? 仕組みとメリット・注意点を詳しく解説

この記事はVoIPゲートウェイの仕組み、メリット、導入時の注意点について解説しています。アナログ回線を残したままでのIP化の実現や、管理負担の軽減、高品質な音声通話など、設置することでさまざまなメリットが得られます。

クラウドPBXを活用し、資産管理の負担軽減や電話業務の効率化を検討する際に、「VoIPゲートウェイ」という単語を目にする機会は多いのではないでしょうか。VoIPゲートウェイはさまざまな業務の質向上に寄与し、自社のIP化推進を後押ししてくれる機器です。

この記事では、VoIPゲートウェイの仕組みや設置に必要な要素、利用メリット、注意点と対策方法などを解説。さらに、数ある製品の中から自社に合ったものを選ぶポイントと、CCアーキテクトができることも紹介します。

1.VoIPゲートウェイとは?

VoIPゲートウェイとはどのような装置で、設置するためにはどのような準備が必要なのでしょうか。ここではVoIPゲートウェイの基本知識を解説します。

電話回線とインターネット回線をつなぐ機器

VoIPゲートウェイは音声通信をIPに中継する端末のことで、電話回線とインターネット回線(IPネットワーク)の間で音声データのやり取りを実現させる機器です。

電話回線は音声がアナログデータで流れるのに対し、インターネット回線(IPネットワーク)ではデジタルデータで流れます。形式が異なるデータを相互変換し、通話を可能にする役割を担うのがVoIPゲートウェイなのです。

VoIPとは、データ回線を使って音声通信を行う仕組みや技術全体のことです。VoIPと、データを中継する役割を担う「ゲートウェイ」を活用することで、電話回線とインターネット回線(IPネットワーク)の音声通信ができます。

VoIPを利用した通話の仕組み

VoIPを活用した通話は5つの流れで構成されており、電話回線から発信された音声信号を、インターネット回線(IPネットワーク)に流せる形に変換して転送する工程が発生します。

【VoIPを使った通話の5つの工程】

1.発信者の音声を「電気信号」に変換
2.VoIPゲートウェイが電気信号を「IPパケット」に変換
3.IPパケットがインターネット回線(IPネットワーク)を通じて受信者のVoIPゲートウェイに届く
4.受信者のVoIPゲートウェイがIPパケットを「電気信号」にふたたび変換
5.受信者に電話機が、電気信号を音声信号に変換して音声を出力

工程【2】にある「IPパケット」とは、音声データを変換して小さな単位に分割したものです。データ送信は小さな単位で行われ、受信者の元に届きます。

VoIP環境に必要なもの

VoIP環境を構築するためには、以下の3つが必要です。

1.端末(VoIPゲートウェイ、IP電話機、ソフトフォンなど)
2.サーバー(IP-PBXなど)
3.IPネットワーク

それぞれ何を準備するべきかは自社のネットワーク環境によって異なります。VoIP導入の前にベンダーに相談すると良いでしょう。

2.VoIPゲートウェイを利用する3つのメリット

自社でVoIPゲートウェイを導入するべきか分からないという人も多いのではないでしょうか。ここではVoIPゲートウェイを利用する3つのメリットを紹介します。

遠隔地と柔軟なコミュニケーションが実現できる

インターネット回線(IPネットワーク)の利用で国内外の相手との通話が可能となり、場所や距離に制約されずに柔軟にコミュニケーションが取れるようになります

アナログ回線と比べてインターネット回線は、距離による音声劣化が発生しづらい点がメリットとして挙げられます。例えば、海外出張先から社内への音声通話がしやすかったり、テレワークの環境下でも顧客とスムーズにコミュニケーションが取れたりするなど、やり取りの柔軟さはビジネスにおいて重要な要素になります。

担当者の管理負担を軽減できる

社内でアナログ電話とIP電話が混在している場合でも、インターネット回線(IPネットワーク)へ一元化させることで管理や運用の業務を効率化させることができます

回線の一元化はVoIPゲートウェイを設置するだけで済むため、電話回線の名義変更や契約変更などの手続きも発生しません。また、全国に拠点がある場合、各地へVoIPゲートウェイを設置し、PBXは本社に置くことで各地の電話機を本社で一元管理できます。

導入や管理を担う総務や人事部門の業務が削減され、資産管理の負担軽減につながるというメリットがあります。

コストを削減できる

VoIPゲートウェイによるインターネット回線(IPネットワーク)を利用して拠点間で通話を行う場合、内線通話は料金がかからないケースがあり、通話コストの削減につながります。

また、出張などで海外からの通話が必要な場合、社内のインターネット回線(IPネットワーク)を利用すれば国内での通信と変わらないため、国際電話料金を削減できることもあります。

3.VoIPゲートウェイを利用するときの注意点と対策

VoIPゲートウェイのメリットを享受するためには、利用する際の注意点も知っておく必要があります。設置後のトラブルを防げるように、注意点と対策方法を確認しましょう。

インターネットの接続状況に左右されやすい

VoIPゲートウェイは、インターネット回線が不安定だと音声品質や通信速度が低下し、VoIP通話自体が切断される場合があります。また、インターネット回線の障害が発生すると電話自体が使えなくなる可能性もあるため、影響を受けやすい点も注意が必要です。

安定した通話を保持するためには、社内のネットワークやサーバーの動作状況・負荷状況を監視し、自社が安定して通信できる環境にはどれくらいの回線速度が必要なのか把握することが重要です。必要に応じて自社のインターネット環境や契約内容を見直すことをおすすめします。 電話自体が使えないという事態を回避するには、電話専用の回線を用意することも検討しましょう。CCアーキテクトで提供する「CCEDGE」を利用したサービスは、もともと使っているネットワークを変えることなく電話専用回線を設置することが可能です。

停電が発生すると利用できないおそれがある

VoIP技術は電気を必要とするため、停電が発生するとインターネット接続が使えなくなり、電話自体が利用できません。落雷や地震などの災害で停電が発生した際に、電話業務に支障をきたし、最悪ビジネスの機会損失につながる可能性があることを考慮する必要があります。

停電時も継続して通話を維持するためには、VoIPゲートウェイや電話機に電力供給ができるUPS(無停電電源装置)が有効です。事前に対策を検討しておきましょう。

4.【目的別】製品の選び方と、CCアーキテクトができること

VoIPゲートウェイはさまざまな製品があり、導入の目的や設置環境により最適な製品が異なります。ここからは目的ごとに選ぶべき製品を解説します。

IP-PBXをひかり電話と接続したい場合

【おすすめ製品】
・NTTひかり電話回線の場合|CCEDGE
・NTTひかり電話回線以外の場合|GWソリューション
【製品のメリット】
・電話番号を変更しなくてよい
・既存のネットワークのまま、ひかり電話回線を利用できる

構成図(一例):

IP-PBXをISDN回線で接続したい場合

【おすすめ製品】
・Yeastar
【製品のメリット】
・電話番号を変更しなくてよい
・ISDN回線を継続使用できる

構成図(一例):

IP-PBXをアナログ電話機と接続したい場合

【おすすめ製品】
・VOPTECH FXSゲートウェイ
【製品のメリット】
・既存の設備(電話機)をIP化できる
・アナログ回線を使用するFAX機と接続できる

構成図(一例):

当社は、お客様のご要望や通信環境に応じてサービスを提供しています。上記以外の目的の場合でも柔軟に対応可能です。お気軽にご相談ください。

CCアーキテクトでは、回線敷設せずにIP電話の利用が可能

CCアーキテクトではIP電話回線の取り扱いも行っており、回線敷設や専用機器の設置をせずともIP電話回線の利用をサポートできます。

IP電話回線は「050番号」の利用が基本ですが、電話番号によっては既存の番号をそのまま電話回線として利用できる場合もあり、CCアーキテクトではご相談を受け付けています。

CCアーキテクトが提供するVoIPゲートウェイは、お客様の要望に柔軟に対応できる点を強みとしています。導入をご検討のご担当者様はぜひお問い合わせください。

5.まとめ

VoIPゲートウェイとは音声通信をIPに中継する端末で、設置することで電話回線とインターネット回線(IPネットワーク)の間で音声データのやり取りが可能となります。VoIPゲートウェイを設置することで、アナログ回線とインターネット回線の音声通話を可能とし、コスト削減や柔軟なコミュニケーションの実現が叶います。

VoIPゲートウェイの導入が効果的かどうかや、選ぶべき製品がどれであるかは自社の回線状況やインターネット環境により異なります。導入を検討している場合は、自社の状況・課題を踏まえてベンダーへ相談しましょう。