「通常の動作確認では問題なかったのに、問い合わせが集中すると電話がつながりにくくなる」
コンタクトセンターでこうした事態を防ぐには、少数の電話による動作確認に加えて、実際の繁忙時を想定した検証が必要です。そのための取り組みが「負荷試験」です。
本記事では、コンタクトセンターにおける負荷試験の基本と必要性、確認すべきポイントを解説し、試験を支援するソリューション「Cyara」を紹介します。
1.負荷試験とは?

負荷試験とは、システムに一定量の処理要求を与え、そのときの動作や性能を確認する試験です。
コンタクトセンターでは、多数の電話が同時にかかってくる状況などを再現し、想定する業務量を処理できるか、どこに性能上のボトルネックがあるかを確認します。
例えば、「音声案内で番号を選ぶと、指定の窓口につながる」という動作を確認するのが機能試験です。これに対し、同じ操作が多数の電話で同時に行われても、想定した応答時間や品質を維持できるかを確認するのが負荷試験です。
2.なぜコンタクトセンターに負荷試験が必要なのか?

通常時の動作確認だけでは、繁忙時の性能は分からない
コンタクトセンターでは、キャンペーン開始や季節的な問い合わせなどにより、来電が集中する場面があります。
少数の電話を正常に処理できても、来電が増えた状況で同じ性能を維持できるかは、別途確認が必要です。負荷試験は、こうしたピーク時の問題を、お客様が実際に経験する前に見つけるために役立ちます。
お客様の体験には、複数のシステムが関わっている
電話をかけてからオペレーターの対応を受けるまでには、音声自動応答(IVR)、着信の振り分け、オペレーターの電話環境、顧客情報を表示するアプリケーションなどが関わります。
そのため、個々の機能を確認するだけでなく、一連の流れとして正しく動作するかを見ることが大切です。Cyaraも、セルフサービスからオペレーター対応への移行を含め、顧客体験全体を対象としたテストの必要性を説明しています。
システム変更後の性能を確認できる
負荷試験は、新規導入時だけのものではありません。システム更新や拡張、繁忙期を迎える前なども、性能を確認する機会になります。
3.負荷試験では何を確認するのか?
コンタクトセンターの負荷試験では、処理できた電話の本数に加え、お客様が目的の対応にたどり着けるかを確認します。主な確認観点は次のとおりです。
| 確認項目 | 確認する内容の例 |
|---|---|
| 接続・処理能力 | 想定する量の電話を受け付け、処理できるか |
| IVRの動作・応答時間 | 音声案内や番号入力後の処理が正しく進み、応答が遅くならないか |
| 着信の振り分け | 選択内容や設定した条件に応じて、適切な窓口・オペレーターへ接続されるか |
| 音声品質 | 負荷がかかった状態でも、必要な通話品質を維持できるか |
高負荷時のIVRやルーティングの検証に加え、音声品質の確認も紹介しています。また、オペレーター側のテストでは、適切な担当者への着信や、顧客情報の正しい引き継ぎも確認対象としています。
実際の試験では、対象システムの構成や業務要件に合わせて、確認範囲と合格基準を決めます。例えば、通常時と高負荷時の応答時間や音声品質を比較すれば、負荷による変化を捉えやすくなります。
4.負荷試験を実施するには?
ここまでの確認を行うには、想定する来電状況を再現する必要があります。
しかし、多数の担当者が手作業で電話をかけ、タイミングや操作をそろえながら結果を記録する方法では、規模が大きくなるほど準備と実施の負担が増えます。問題の修正後に、同じ条件で試験を繰り返すことも考えなければなりません。
そこで役立つのが、コンタクトセンターのテストを自動化するソリューション「Cyara」です。
5.Cyara Cruncherによる負荷試験
Cyaraは、コンタクトセンターの顧客体験を対象としたテストや監視のソリューションを提供しています。その中で、負荷・性能試験を担うのが「Cyara Cruncher」です。
大量のテストコールで来電状況を再現
Cyara Cruncherは、大量のテストコールを自動生成し、実際の顧客利用を想定した負荷を再現します。継続的な負荷や急激な集中など、異なる条件での性能検証を支援します。
高負荷時のIVRやルーティングを検証
電話を発信するだけでなく、高負荷時にIVRや着信の振り分けが想定どおりに動作するかを確認できます。これにより、処理能力の制約やフロー上のボトルネックなどの発見につなげます。
結果を分析し、改善につなげる
Cyara Cruncherは、詳細なレポートや掘り下げた分析を提供します。試験結果をもとに問題が発生した箇所を調査し、修正と再検証につなげることで、リリース前の品質確認を支援します。
導入にあたっては、想定する同時通話数や発信量、通話シナリオ、確認したい品質項目を整理し、必要な試験構成を検討することが大切です。
6.繁忙時にも安心して利用できるコンタクトセンターへ

コンタクトセンターの負荷試験は、多数の電話を処理できるかを確認するとともに、繁忙時のお客様の体験を検証する取り組みです。
「電話がつながる」「案内がスムーズに進む」「適切な窓口に届く」「会話に必要な音声品質を保つ」。こうした観点から試験を設計することで、実際の利用場面に沿った品質確認につながります。
想定する業務量と求める品質を明確にし、Cyaraなどの自動化ソリューションを活用しながら、高負荷時の性能を事前に確認しておきましょう。
